@mastersthesis{oai:kagawa-u.repo.nii.ac.jp:00000175, author = {亀浦, 陽子}, month = {2020-10-20}, note = {遠方の恒星の光は直線偏光成分を含む。観測される直線偏光度は、観測者から恒星までの視線上の星間塵粒子の量の指標である色超過と良い相関を示す。このため、この直線偏光は、非等方の光学特性をもつ塵粒子が何らかの機構によって整列し、これらの塵粒子を含む空間を星の光が通過することによって生じると考えられている。このような偏光は星間偏光と呼ばれている。, 星間塵粒子がどのように整列するかの問題は、現在十分に説明ができない。従来からガス粒子との衝突によるランダムな回転運動に起因する常磁性緩和による整列(Davis & Greestein 1951)が考えられてきたが、必要とされる磁場の強度が、観測される磁場の強度より一桁大きいなどの問題点がある。一方で輻射トルクが、整列機構において大きな役割を果たしている可能性が指摘されている。輻射トルクによる塵粒子の回転は、塵粒子の形状が不規則なためHelicityを持ち、これは塵粒子の形状が変わらない限り、変わらないと考えられるため、より長い期間にわたる回転の加速が可能であり、効率よく整列が行われると考えられている。また輻射トルクの効率は Lazarian & Hoang(2007)によると、輻射場の特性により、効率よく整列する塵のサイズが変わることが期待される。現在、輻射トルクによる塵粒子の整列機構の理論研究は精力的に進められているが、観測的な研究はあまり行われていない。本研究では、輻射トルクの効果が効きやすいと思う星周囲の塵粒子整列を検討するため、これらの星についての偏光観測を行い、考察した。, 本研究では、岡山の天体物理観測所の低分散偏光分光測光装置(HBS)を用いて観測を行い、強い輻射場での星間偏光の特性を調べた。今回の観測では、2008年1月、2008年10月、2009年1月の3回にわたって星雲を伴った星を含む計24星についての観測を行い、最大偏光波長λmaxを0.01〜0.05㎛程度の誤差で求めることができた。赤い輻射場の塵粒子が輻射トルクによって整列しているならば、λmaxは大きくなる可能性があるが、この可能性は確認できなかった。プレアデス星団の近くの2星を除いては、星雲を伴った星のλmaxと伴わない星のλmaxについて0.03㎛以上の有意な差はみとめられなかった。また、輻射強度が卓越している場所で塵粒子が整列しているならば、通常観測される偏光効率は上限値より大きくなる可能性があるため、色超過EB‐Vを導くことが可能な場合、偏光効率を検討した。しかし、偏光効率についても星周辺で大きくなる傾向は見られなかった。これらの事は赤色巨星周囲では、輻射によっては整列が生じていない可能性を示す。しかし、プレアデスの星であるHD24118とHD23985においては周囲の星と比べて偏光度が小さく偏光効率も小さいという特徴が見出された。これら星の周囲では、比較的大きい塵粒子の整列の程度が低くなっているか、または塵のサイズが平均的に小さいなどの可能性を示すと解釈される。}, school = {香川大学, Kagawa University}, title = {強輻射場における星間偏光特性〜塵粒子整列機構の観測的検証〜}, year = {}, yomi = {カメウラ, ヨウコ} }